運命
小説「死に場所」のあとがきにおいて、以下を記載を致しました。 まずは、公的機関もしくは、医師に相談されることをお勧めいたします。 尚、いのちの電話等は繋がりにくいため、公共機関に相談された方が宜しいかと存じます。 では、具体的(生活、会社、学…
(歌川広重 東都三十六景 御茶ノ水) (34)最終節 仙蔵とおさよは、一年ぶりに二人きりになると、募る話さることながら、たった一日しか一緒におらずどうしたらよいのか纏まらない。 仙蔵はの切欠がつかめず「荷物が重そうですから、どれか持ちますよ」と…
(9) それからしばらくは、どんよりとした天気ながら平穏な日が続き、十一月に入った。 十日もすれば、蕎麦が収穫できる。 早朝から釣りに出かけ、昼過ぎに帰ってきた仙蔵は、釣った鮒を魚籠(びく)から桶に移していたところに、圭助とおきつがやってきた。…
(5) 翌朝、圭助が仙蔵の家を訪ねて来て、開口一番。 「頼むから猪吉さんや皆には言わねえでくれ・・・」 仙蔵は答える前に溜息が漏れる。 「昨日の晩もおっかあが酒を出そうかと言ったんだが、断ったで。もう呑まねえ」 仙蔵は当たり前だとも思ったが口に…
(川崎市立民家園) (3) 全国的に大飢饉が続く中、甲斐に隣国の商人が現れた。商人等は相場よりも高値で米を買い集めた為、甲斐から米が流出した。当然、米価は高騰。 甲斐都留郡(大月市周辺)では三年以上続く飢饉で多くの死者が出ており、これが更なる…