増税、還元、キャッシュレス。 そして明日は、ホープレス。

長編小説を載せました。(読みやすく)

 ~トランスジェンダーの重量級選手のオリンピック参加から考える提案~            

サービス管理責任者からの私見 (序) 先日、ニュージーランドのトランスジェンダーの重量挙げ選手が、同国の女子選手代表としてオリンピック東京大会に参加するというニュースが目に留まった。 この選手、20代までは男子選手として活躍していたが、内面にお…

【 クリスマス・イブのハローワーク 】全2話 ①

(序) ハローワーク新宿の裏手には青梅街道が走る。 その傍に、立ち食いそば「二代目泉屋」という店がある。 今年53歳になるという、少々赤ら顔で小太りの店主の名は、内田勝・・・。 26歳から起業し、紆余曲折を経て、立ち食い蕎麦屋を引き継ぐ事に至った…

【 クリスマス・イブのハローワーク 】全2話 ②  

(3) 内田に2度目の損害保険金が支払われるまでに時間がかかった。 保険会社が故意の事故の疑いがあるという理由で、調査に1年を要した。 その間、内田は再び出店すべきか思い悩んだという。 あれだけ盛況だった店を他の場所で復活できるだろうか・・・。…

人間界、職場にも存在する、ハト吉。

私はハトがキライだ。 公園にいるハトが特にキライだ。 かわいいスズメにちょっとだけ昼食のパンを千切って上げると、警戒しながらもチュンチュンと寄ってくる。 ちびちびと食べる姿。 写真を撮って、思わず和む。 すると、どこからかぎつけたのかハトがバサ…

狛犬さんと狛ネコさん

なんだかネコ続きの話題となっていますが、私はすごくネコが好きな訳ではない。 どちらかといえば怖い。 思い返えすと、あまり良い記憶がない。 学生の頃、親戚の家のネコはおとなしいと聞いていたのでおっかなびっくりなでてみた。 すると、ネコは私の膝の…

ノラネコに命名

最近のお昼時の公園は暖かい。 そして度々、猫が私の食事模様を草陰から覗いているらしい。 コイツは、最近擦り寄る目つきの悪いノラ猫。 近所のお婆さんがエサをやっているらしいが、名前は不明だ。 顔馴染みとなったある日、 ビリビリに破けたティッシュの…

刺激のない日々は、神聖なる甲虫・スカラベ

先週の土曜日の午後5時過ぎ。 私は仕事を終え、駅前にあるドンキに入店。 特に目的もなく徘徊し、店頭の置かれた58円のコアラのマーチを買うか買わないかで迷った挙句、レジ前の長蛇の列にうんざりして何も買わずに店を出た。 コアラのマーチとは限らないが…

#おもてなしの極意# ドキュメント新宿 戦国コスプレそば「三献」全3話③最終話  読み時間約10分

(3) 福島正則は、しつこく目が痛い素振りをする石田を睨みつける。 「早う、どんぶりにつゆを入れて来いっ」 石田はまだ目がかすんでいる様な小芝居を続けて、また擦る。 「ああっ、今持ってくるよ、だから怒鳴るなよ。まだ痛いな・・・」 すごすごとカウ…

#おもてなしの極意# ドキュメント新宿 戦国コスプレそば「三献」 全3話②(改訂)  読み時間約10分

(2) ※本作のイメージをiphoneで、初めて書いた残念な結果です。 史実では、福島正則は共に酒豪である、母里友信(もりとものぶ)に大杯に入った酒を勧め、見事飲み干せた暁には、好きな物をなんでもやると豪語した。 母里友信はそれでも酒を拒んでいると…

#おもてなしの極意# ドキュメント新宿 戦国コスプレそば「三献」 全3話①(改訂)  読み時間約10分

(序) おもてなし。 オリンピック誘致が成功してからというもの、この言葉に奥ゆかしさが消え、なんだが押しつけがましくうっとおしい。 おもてなし、裏があろうが、おもてなし・・・。 ダジャレを披露したい訳じゃなく、小池百合子東京都知事が、まるで万…

≪ 現代の駆け込み寺、もしくは御救小屋は、『保健センター』 ≫

小説「死に場所」のあとがきにおいて、以下を記載を致しました。 まずは、公的機関もしくは、医師に相談されることをお勧めいたします。 尚、いのちの電話等は繋がりにくいため、公共機関に相談された方が宜しいかと存じます。 では、具体的(生活、会社、学…

【 死に場所 】place of death ..last stage 全34節 【第2部】(34)最終節 読み時間 約10分

(歌川広重 東都三十六景 御茶ノ水) (34)最終節 仙蔵とおさよは、一年ぶりに二人きりになると、募る話さることながら、たった一日しか一緒におらずどうしたらよいのか纏まらない。 仙蔵はの切欠がつかめず「荷物が重そうですから、どれか持ちますよ」と…

【 死に場所 】place of death 全34節 【第2部】(33) 読み時間 約14分

(33) 渋々、仙蔵は寺の門を潜る。 年始めは寺も檀家廻りがあったりするから、その手伝いじゃないだろうかと足取りは重い。 信一郎に御救小屋に連れて行かれた後、唐突に働いたらどうだと言った事から、もしかしたら出家を促されるのかと、益々、仙蔵は嫌…

【 死に場所 】place of death 全34節 【第2部】(32) 読み時間 約12分

〈東京都水道歴史館〉 (32) 翌朝早く、仙蔵は目が覚めた。御救小屋に行かねばと身を起こしてみたが、もう出かける必要がない・・・。 喉が渇き、台所へ行って水を飲む。 立て付けの悪い戸を開けた。 外はまだ薄暗く、雪がちらりと降っている。改めて寒さ…

【 死に場所 】place of death 全34節 【第2部】(31) 読み時間 約13分

(31) 翌日、仙蔵はこれまで通り御救小屋で病人を介抱する。 取払い間近とあって、各地から名主、身受人らが続々と収容人を引取り小屋を後にする。 大病人や極大病人は動かす事が難しく、大八車に乗せて療養所などに分散して少人数づつ移し始めた。 その…

【 死に場所 】place of death 全34節 【第2部】(30) 読み時間 約13分

( 新版御府内流行名物案内双六 イメージ ) (30) 夕方になると、炊事場から勝吾郎や女集が、豪勢な鴨と鮭が入った粥をお盆に載せて病人部屋に現れた。 「お里さん、仙蔵、夕飯を持って来たぞ~っ。動ける者は、食堂に行ってくれっ」 「なんだか美味そう…

【 死に場所 】place of death 全34節 【第2部】(29) 読み時間 約12分

〈 江戸名所図会 内藤新宿 〉 (29) 三日後、仙蔵は御救小屋の勤めを終え、四谷大木戸近くの臨時番屋に足を運んだ。 戸を開けると、鉤鼻の正平がいた。 「おうっ、仙蔵っ。でかしたっ!」 「えっ?」 正平はとてつもなく喜んで仙蔵の手を取った。 なにが…

【 死に場所 】place of death 全34節 【第2部】(28) 読み時間 約10分

( 江戸名所図会 熊野の瀧 ) (28) 仙蔵は帰り道の途中にある熊野十二社の鳥居を潜って参詣した後、境内をうろつき、社(やしろ)の裏手やごみ捨て場を窺うが欲するものがない。 ないな・・・。 仙蔵は鳥居に一礼をして、ふらふらと溜池周辺を歩き回ってみ…

【 死に場所 】place of death 全34節 【第2部】(27) 読み時間 約10分

( 荒歳流民救恤図 イメージ ) (27) 「あっちーいっ、こっちが焦げちまうよっ。あっ、仙蔵、調度良かった。一緒に水かぶんねえか?」 仙蔵は病人部屋は寒いからいいと、ふんどし一丁の勝吾郎に断った。 「あれっ、芳蔵さんは?」 勝吾郎は柄杓の水を頭…

【 死に場所 】place of death 全34節【第二部】(25)~(26) 読み時間約15分

( 荒歳流民救恤図 イメージ ) (25) 翌日の昼。仙蔵は約束通り、御救小屋の門脇で信一郎を待っていた。 信一郎はすでに小屋に来ており、元締手代の岡田宗泰と話を付けていた。 もうそろそろ来るだろうと、門から表を覗くと仙蔵が緊張した面持ちで立って…

【 死に場所 】place of death 全34節【第二部】 (24) 読み時間 約10分

(24) 翌朝、明け六つに信一郎は伝造を伴い、内藤新宿を出立。 町奉行所への登所は、八つ時(午前八時頃)だった。 役所の町会所掛の用部屋で、信一郎は上役与力、古参の野本冶座衛門に書類を提出。 その時、他の同心達と一緒に、来月十二月八日を以て、…

【 死に場所 】place of death 全34節 第二部(23) 読み時間 約10分

( 江戸名所図会 熊野十二社 角筈村 ) (23) 南へ七八町、神田上水沿いに歩く。角筈村に入り右手に大きな用水路が広がる。 熊野十二社の鳥居が見えると、滝の音が聞えてきた。 「ここの神社へも参拝に来たのか?」 熊野の滝は、凡そ三丈の高さから水飛沫…

【 死に場所 】place of death 全34節 【第二部】(21)~(22) 読み時間 約15分

(江戸名所図会 7) (21) 仙蔵が村を出て五日後。 小仏峠を越え駒木野の関所付近から、通行手形がなく締め出された者たちが、道の両脇に座り込んだり、物乞いをしたりする姿を多く目にする。 仙蔵は、憂き目漂う道中を菅笠で覆って逃れるように先を急いだ…

【 死に場所 】place of death 全34節 【第二部】(19)~(20) 読み時間 約15分

(江戸名所図会7) (19) 初日の晩、仙蔵は笹子峠の手前、黒野田宿まで行き一泊した。 二日目の朝、難所の峠を越え、上野原宿の木戸が閉まる刻限ぎりぎりの暮六つに辿り着き、辺りはすっかり暗くなっていた。 宿屋の主人に宿賃を尋ねると二百文だと告げ…

【 死に場所 】place of death 全34節【第二部】(18) 読み時間 約12分

(18) 仙蔵の心とは裏腹に、空は澄み渡り旅立ちには申し分ない。 師走の寒さは和らぎ風も穏やかであったが、仙蔵は逃げるかの様に菅笠を目深に被り、往来の人々の目を避けて進む。 石和宿の木戸に差し掛かると、仙蔵の心持を見抜いたように「そこの者、待…

【 死に場所 】place of death 全34節【第一部】(16)~(17) 読み時間 約10分

(16) それから三日間、毎日松次郎が弁当を持って来て、仙蔵の汚れた着物を持って帰った。 翌日、松次郎がぼろ小屋に来た時に、通行手形を渡された。 「少しはどこへ行きたいか思い付いたか?一応、伊勢詣りって事にしてある」 松次郎は往来手形の書状を…

【 死に場所 】place of death 全34節【第一部】(14)~(15) 読み時間 約13分

(14) 仙蔵は独り小屋に取り残され、村にも帰れない。 風が強く吹き荒み日が没すると、より冷えてきた。小屋に入るが窓からは風がびゅうびゅうと入ってくる。行灯もなく頼りは月明かりだけだった。 当然、布団などもなく埃の被った筵を体に捲きつけて寒さ…

【 死に場所 】place of death 全34節【第一部】(13)  読み時間 約10分

(13) 翌日も、仙蔵は村人の前で見せしめに背中を押され歩かされる。 いつもの小屋に連れて行かれ、辰次たちの博打を眺めるしかない。 その時間は途方もなく長く感じられた。 何も訊かれず時だけが過ぎ、仙蔵は辟易とした日々の繰り返しに、とうとう我慢…

【 死に場所 】place of death 全34節【第一部】(11)~(12)読み時間 約15分

(11) 数日後の朝。 仙蔵が顔を洗っていると、圭助が裏庭に回って来て大声を上げた。 「大変だっ、伊作と茂平と寅造、梅吉、そんでもって猪吉さんとこの宗八が、陣屋の役人に連れて行かれちまったっ!」 仙蔵は顔が濡れたまま、圭助を睨むように目を向け…

【 死に場所 】place of death 全34節【第一部】(10) 読み時間 約12分

(10) 仙蔵はおさよと二人きりになると、再び無口になってしまった。 おさよは仙蔵の後ろに下がって歩くため、ますます話しづらい。 仙蔵はいつもの狩場へと、後ろに付いてくるおさよを気遣う。 「もう少しですから・・・」 はいと、おさよもこくりとうなづ…