増税、還元、キャッシュレス。 そして明日は、ホープレス。

長編小説を載せました。(読みやすく)

【 死に場所 】place of death 〜unreasonable & absurdly world 〜 全34節【第一部】(1)~(2)読み時間 約10分

     

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  ※ 本作は、1867年大政奉還の30年前である、

天保8年(1837)暮れの天保の大飢饉を舞台としております。

 

 著者の経験等から、理不尽、不条理の世界において、今後、どう生きるかを検証することを前提とした小説でございます。


 文中に説教がましい表現等がございますが、著者自身に対する自問自答と捉えて下さい。

また、作中の登場人物及び場所等は、歴史検証が困難な箇所があるため架空と致します。
     

  お読み頂き、何かの切欠になりましたら、

木戸銭としてamazonの同名小説「死に場所」をお買い上げ頂けますと、嬉しく存じます。

     

 尚、今、大変な状況にある方は、落ち着いた時で構いません。

   

 

    その場所、その瞬間だけが、

   永続する世界ではありません。

  

   激動の時代に入った時、

  世界は新秩序を求め動かざるを得ません。

  明治維新が到来した様に・・・

    

 

                                                                           

                                                    紺野 総二

 

 「 たらいから  たらいにうつる  

                               ちんぷんかんぷん  」

 

          小林一茶 時世の句 文政十年(1827)

 

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    (序)

 江戸四宿の一つである内藤新宿は、甲州道中(街道)と青梅街道が交差する宿場。
旅籠屋五十二件の他に引手茶屋、水茶屋は六十二件。(文化三年 1806)

その数は旅籠屋を上回った。
 周知の事、引手茶屋は岡場所であり、そこで働く娼婦を飯盛り女とも呼ぶ。
亡くなった娼婦らは、十代後半から二十代前半の者がほとんどで、身寄りがなければ成覚寺などに投げ込まれ、無縁仏として葬られた。      

 (元冶元年(1864)子供供養碑を建立)

 

  おおよそ天保三年から九年頃(1832~1838)まで、世に知られる天保の大飢饉で、天災と人災が重なり飢えや病等で死者が続出、墓場が足りぬほどの世相となる。
 天保八年七月。見るに見かねた宿内の富商らの呼びかけにより、成覚寺内に無縁塔を建立。
 また、内藤新宿の北側の外れを流れる玉川上水脇には、旭地蔵が無縁仏や男女、親子らの心中者を弔い続けている。

(明治十七年(1884)七月、成覚寺に移設)
   他の三宿同様、内藤新宿は多彩な 百姓(ひゃくせい=庶民)が行き交い、その繁栄は、新宿として現代に至る。

 

       (1)

   天保八年(1837)十一月十六日、夕暮れの内藤新宿

近頃、この道を往来する人々を見込んで、四谷大木戸の手前付近で、蕎麦の屋台が現れる様になった。
 底冷えする晩秋。
背を丸め、忙しなく人馬が行き交う大道。その中に、一人気だるそうな細面の三十がらみの浪士風情の男が通りかかる。
顎を上げ、冷々たる眼差しは、己も江戸に住みながら蚊帳の外から眺めているよう。
 つむじ風が枯葉を巻き上げ、雲に覆われた寒空に陽は見えない。
地上に視線を戻すと、仄かに湯煙が立ち上る屋台の蕎麦屋が目に留まる。
男は立ち止まり、袂の中に腕を入れた。己の肌の暖かさを確かめた後、そのままひらりと暖簾を掻き分けた。


 「いらっしゃい、今日も冷えますね」
柔和で丸顔の三十半ばの屋台の親父は、満面の笑みで手を擦りながら男に声をかけた。
他意のない人は、親父に釣られて笑みがこぼれるような温かみのある雰囲気。
浪士風体の男は、親父を無視してぶっきらぼうに注文する。
「そばをくれ・・・」
親父は、無愛想で抑揚のない男の声にちらりと目をやった。
「なんだ」
「いえっ、旦那がなんて仰ったのか聞き漏らしたもので・・・」
男は、親父が目を向けるのを知っていたかの様に目を細めて顎をしゃくる。
「そばだよ・・・」
「へいっ」
親父の笑みは消えてなくなり、男に背を向け蕎麦を湯の中に入れた。

 

 浪士風情の男の隣では、先客の若者が食べ終わり箸を丼の上に置いた。
「ごっつあん」
親父は微笑みながら「二十八文です」と告げる。
飢饉続きの時分とはいえ、随分と高い蕎麦。
浪士体は隣に目を向け、その反応を窺う。

   薄汚れた粗末な縦縞の半纏を着た若者は、竹駕籠の荷物入れを肩にかけた。
痩せた体躯で背はさほど高くない。髪は後ろに束ねているだけで散髪もしばらくしていない様子。着物も粗末な古着らしい。
 年の頃は二十二、三といったところ。
顔色が悪くやつれているが、丸い双眸は衰えておらず姿勢は正しい。
蕎麦が二十八文と聴いても驚く様子はない。
若者はわずかに微笑んでいる様にさえ見え、どことなく愛嬌のある顔でうなづいた。
懐に手を突っ込み、若竹色の絹の小袋を取り出す。
「ひい、ふう、みい、よう、いつ」
若者は台の上に銭を並べ、唐突に「今、何時だい?」と親父に微笑みかけた。
 愛想が良く、目と眉が離れていた親父の表情は一変した。
眉間にぐっと力を入れ、若者に顔を近づける。
「何時だと?勘定をごまかそうたってそうはいかねえ。落語の真似なんて太てえ野郎だっ」
「誤魔化そうなんてしねえ・・・」
若者は痩せた手を振った。
「嘘吐くな。そいつは、なんとかってえ落語の真似だろう」
つい先日寄席で聴いたと、親父は惚ける若者を詰め寄る。
「だから、おいらはそんな落語は知らねえし、たかが一文や二文誤魔化す様なケチな男じゃない。そもそも、醤油をケチっているのは親父の方だ。この蕎麦は不味くて五文の価値もない」
因縁をつけられたと親父は苛立つ。
「なんだとっ、うちの蕎麦にケチ付ける気かっ!見るからに小汚い格好してんじゃねえか、食い逃げするつもりだろうっ。つべこべ言わずに銭を出せっ」
若者は親父の大声に動じることなく、手を横に振り遮った。
「逃げも隠れもしない。時を聴いたのは、町奉行所か番屋に行こうと思ったからだ」
「なっ、なんで、町方に用があるんだ・・・」
若者の言い分が解せないためか、親父の口調に勢いがなくなった。
「だから言っただろう、一文や二文誤魔化すようなケチな事はしねえってっ。死ぬ間際にこんな糞不味い蕎麦食わされて、なんで二十八文なんて払わなきゃならないんだっ。五文で嫌なら今から訴え出てやるっ。飢饉続きで物価高だからって、人の足元見るのは罪じゃないってのかっ。おいらの訴えが間違っていたら食い逃げでもなんでも牢にぶち込めばいいっ、どうせ理不尽な世の中にうんざりしてんだっ」
「なんだとっ!」
不味い蕎麦に五文の価値なしと言われた親父はかっとなって、怒鳴り付けようと大口を空けたが、浪士風情の男の手前もあってすぐに収めて睨みつける。
「ふっ、ふざけた事を・・・」
親父はなんとか怒りを押さえ込もうとする。

 

 「おい、そんなにここの蕎麦は不味いのか?」

浪士体の男が若者にきく。
「食えば分かりますよ」
客と親父の諍いに、埒が明かぬと浪士体が声を上げた。
「早く蕎麦を出せ」
若者は、浪士体の顔を見やり「どのみち番屋に行くよ。おいらは五文しか銭はねえ。牢屋敷でも獄門でもかまわない。どうせ、飯食ってから死のうと思って適当な場所を探してたんだ。最後の最後までツイてねえ。こんな糞不味いものが、この世の最後の飯だなんて・・・ 」
と溜息を吐き、重苦しい灰色の空を見上げた。
「なんだとっ、言わせておけばっ!」
浪士体は台に肘を着き「おやじ、待て」と宥めてから、若者の頭から草履までを見やる。
「死に場所ねぇ・・・」
浪士体は流し目で、若者の顔に視線を戻す。
「皮肉なもんだ・・・飢饉に喘ぎ、生きたいとすがって死んでいく者もあれば、死ぬ間際の最後の蕎麦が不味いと怒る野郎。この御時世、お前さんが言う通り、誠、理不尽なもんさ。おいらが蕎麦食ったら番屋に連れてってやる、だからちょっと待て・・・親父、さっさと蕎麦出せよ」
「へっ、へいっ」
不味いと言われ躊躇していた親父が、おずおずと蕎麦を出した。
「おめえの言う事が、理に適っているかどうか確かめてやる」
 浪士風情の男は一口二口と蕎麦を啜り、顔を顰(しか)めて箸を置く。

「確かにひでえ味だ、食えたもんじゃねえ・・・だが、勘定は勘定だ。こいつのも一緒に払ってやる・・・」
親父は申し訳なさそうな態度に変わり、ぺこぺこと頭を下げる。
「〆て三十文でいいな・・・」
それを聞いた親父は、浪人風情の男を睨み屋台の裏から回り込もうと菜箸(さいばし)を置く。
「おっと待った。親父、今年の正月に出た町触を知らねえのか?」
「町触ってなんだっ!」
「ふんっ、シラ切るつもりか。正月早々、蕎麦は二十八文から十五文にしろって値下令が出てんの知ってんだろう。それに加えて、おめえんとこの蕎麦は糞が付くほど、まじいって宿場中の噂になっている。この蕎麦つゆ、馬のしょんべんみてえな色で味がねえ。お前の屋台がぼったくっているって苦情がおいらの耳にも入っているんだ。おめえのやり方は詐欺だな・・・」
 親父は開き直る。
「冗談じゃねえっ!お武家だか浪人だか知りませんが、詐欺とは聞き捨てなりませんぜっ。醤油だって全く手に入らねんだから仕方ねえじゃありませんかっ」
「おめえは値下令を知ってたはずだ。天保八年一月付で蕎麦屋の組合に通達が出ている。それを知らねえって事はモグリで商売してんのか?蜘蛛の巣張るように、店先にも値段を出さねえで、客が食った後に勘定を要求している。これ以上、文句があるんなら、こいつと一緒に番屋に連れて行こうか?そしたら、二度と商売できなくなるぜ」
「すっ、すいやせん。御勘弁を・・・」
親父はびくりとして銭を受取る。
浪士風情の男は暖簾をかき上げ、振り向きざまに親父を睨んでから歩き出す。
「しょんべん蕎麦十五文って書いて置けっ。おう、ついてきな・・・」
若者も後に続いて歩き出す。

 

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   (江戸名所図会 四谷大木戸)

 

    (2)
 二人は、四谷大木戸に向かう。
道沿いの水路付近を歩いていると、柵に寄り添う番人が頭を下げた。
「おう・・・」
浪士風情の男はちょいと手を上げ、挨拶に応えながら進む。
後ろを歩く若者は、紋付を着てはいないが、恐らく役人なんだろうと察する。
「よう・・・」
浪士風の男が振り返った。
「あいつら、なんで水路の近くで立っていると思う?」
いざこざを起こした若者は「さあ・・・」と小首を傾げた。
「この水は御府内に送られる。長い玉川上水の所々に水番屋がある。その番人が、しょんべんなんかする奴や、洗濯、ごみ流しをする野郎がいねえか見張ってんだ。そんで、ここらで見張っているのは、ごみが流れてこねえかだけじゃねえ・・・なんだと思う?」
若者は気もそぞろに「水が澄んでいるか確かめておられるんですか?」と答える。
「それも一理あるが、もう一つはこの水路に身投げや死人を流す奴がいねえかを見張っている・・・飢饉で人が死にすぎて埋める場所もねえからって流す奴もいる。それに、どうにもならなくなった男女や親子心中なんかもな。御江戸の飲み水に死体が入っていたら、皆ころりと死んじまう。好き勝手に死なれちゃ困るって訳だ・・・分かるな」
死に場所を探していると言った若者を、振り向き様に冷めた眼差しを向ける。
「はい・・・」
若者は小さく頷き、視線を逸らす。
 浪士風情の男は更に話を続けながら歩く。
「去年の暮、丁度今頃の十一月だった・・・両国橋の近くで、おめえと同じように親子が屋台で飯を食ってから身投げしちまった。屋台の親父の話じゃ、その親子は全く死ぬ素振りなんて見せなかった。むしろ、美味いと言って親が子にもっと食えと、それりゃ仲睦まじかったって話だ。おめえが死に場所を探しているって言った時、ふっとその事を思い出した。ここ四、五年、身投げ、捨て子、行方不明が多くてな・・・」

 二人は大木戸近くの臨時番屋の前に立つと、中から声が聞えてきた。
「半っ」
「いや、丁っ。丁で決まりだっ」
「丁半、出揃いましたっ。ようござんすね、ようござんすねぇ~っ」
 浪士風情が、若者を連れて番屋の中に入る。
博打に夢中で、誰が来たのかも気付かない岡っ引きが四人。
伏せられたツボに這い蹲って、じっと見入っていた。
連れて来られた若者は、番屋で賭博ってどうなっているんだと、浪士風の男を見つめる。
その視線に、恥ずかしさと悔しさでかっとなる。
「良かねえやっ、すっとこどっこいっ」
ツボを伏せて取り仕切る岡っ引きの後頭部をぴしゃりと引っ叩く。
「痛ってえなっ、誰だこの野郎っ!」
岡っ引き連中が一斉に見上げた。
「げーっ、白沢様っ」
「ふん、人がわざわざ薄ら寒い日に出て行ったのを見届けてから丁半かっ、好い気なもんだなっ」
岡っ引き四人はぞろぞろと連座して、白沢と呼ばれる男に手を付いて謝った。
「すっ、すいやせんっ!」
白沢の怒りは収まらない。
岡っ引きの四人はそれぞれ顔を見合わせ、この場を何とか取り繕おうと愛想笑いで宥(なだ)めにかかる。
「いやぁ~っ、お寒い中御難儀で御座いました。丁度、見廻りに行こうかと思っていました・・・」
白沢は左手を刀にかけ、かたかたと震え始めた。
さいころとツボ持って見廻りか?ふざけんなっ。雁首そろえて、にやにやしてんじゃねえっ。さっさと廻ってこいっ!」

「へいっ」
四人は慌てふためき、つっかけに足を入れ、慌しく番屋から飛び出していった。
「行って参りますっ」
「おとといきやがれ、馬鹿野郎っ」
 白沢は縁側に腰掛け、足袋を脱ぐ。
付いて来た若者に足を洗って上がるように言う。
「あいつら、火鉢の湯もそのままで行きやがって・・・おう、そこに足洗い桶があるから自分でやってくれ」
若者は桶に水を入れ、足を洗うと畳に上がった。

「失礼致します」
 白沢は引出しから煙管を取り出し、火鉢に近づけ煙をふかして一服する。
「さみいな・・・」と若者にさらりと目を向けた。
「仲間内で丁半なんてやりやがって馬鹿ばっかだ。おめえもそう思わねえか?」
「さあ、博打はやらないので・・・」
「博打は御法度だもんな。一概にやるなとは言わねえ。でも、仲間内でやるってえのがくだらねえ。そのうち喧嘩になるか、借金背負って頭が上がらなくなるのが目に見えてらぁ。それも分からねえんだからしょうがねえ、しかも番屋でやりやがって・・・まあいいさ。おいらは、北町同心で窮民送り方出役の白沢信一郎ってもんだ。行倒人やら迷い人を見つけて身元を確かめるのが役目だ。だから、お前さんの望み通り連れて来てやった。早速だが、お前さんの名と国はどこだ?」

 若者は白沢信一郎が同心だと知り、丸い目を伏せて視線を避けた。
信一郎の哀れみとも蔑みともつかぬ眼差しに座を正す。
「名は、仙蔵と申します。甲斐の百姓でございます・・・どうぞ、こちらを御改め下さい」
仙蔵は荷物の中から往来手形を取り出し、信一郎に差し出した。
「なになに、甲斐八代郡各田村仙蔵。右者、この度、伊勢参詣に罷り出申し候。御関所を御通し下されますよう願います。万一、旅の途中で病気、又は病死したような場合は寺院や御役人の御慈悲を持ちまして、その土地の風習に従いお手当、御始末頂けますよう、この段、ひとえに御願い申し上げます。

天保七丙申年十二月廿日甲斐八代郡各田村名主冷嶋猪吉。※ 在方のもんか・・・さみいから湯でも飲め。歳は幾つだ」

(在方=江戸から五六里以上離れている者)

「二十六でござます。頂戴します」 
仙蔵は頭を下げ一口啜った。
「二十六か、若く見えるな。おいらと五つしか変わらねえのか・・・」
 信一郎は仙蔵とやらの神妙な態度と口調に純朴な気質を感じ取る。
岡っ引き連中は博打がばれた時、嘘を吐いて取り繕ろうとした。

大抵、そうやって自分を正当化しようとする。
  この仙蔵、喧嘩を吹っかけたが、蕎麦は確かに不味く五文の価値もないという主張も分らなくもない。食い逃げとなれば罪は罪だが、その愚直さが何となく気に入った。
信一郎は、仙蔵が死ぬということに同情した訳ではないが、その場の気まぐれで驕っていた。
ひどく不味いせいもあったのかもしれないが、どことなく憎めず、詳しい素性を調べる。

 

 窮民送り方出役同心の役目は、飢饉の際に創設された、臨時的な役目。
天保の大飢饉が五、六年続き、近在遠方より江戸に流入民が大挙し、餓死者、行倒人や乞食で溢れ返った。
 また、江戸の界隈でもその日暮しの者が長屋を追い出されるなど、およそ六、七十万人が幕府の金米の施しを求めて行列を成していた。
捨て子、妻子捨て、夫の病死等、行き場のない女も溢れ、佐久間町だけで月に百六十人ほどが御救小屋に殺到。
 当初、御救小屋は佐久間町一箇所に設置したが、天保七年三月に新たに三箇所増設した。
だが、肝心の辻番や自身番の者が、行倒人迷い人を御救小屋へ連れて行かず、見て見ぬふりをしていた。
その為、江戸町奉行所が、窮民送り方出役を急遽配置、増員し、町場で行き場のない者や病気の者を医者に見せるなどの任に当たっていた。
人道的配慮もあったが、治安の悪化と疫病の流行を恐れた為の措置であった。

 信一郎は、仙蔵の手形に一通り目を通し、煙草の煙を天井に向けてふうと吐いた。
「この往来手形は去年のものだ。伊勢詣りが終わって死ぬってどういうこった。御蔭様で死ぬってか?訳が分からねえ」
「実は、まだ行っておりません・・・」

 

   仙蔵が江戸に出てきた顛末は、天保七年八月に甲斐一国が騒乱となった、郡内騒動だと語り始めた。

 

   

                        (3)へ続く・・・  

 

 

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