増税、還元、キャッシュレス。 そして明日は、ホープレス。

長編小説を載せました。(読みやすく)

【 死に場所 】place of death 全34節【第一部】(9) 読み時間 約10分

(9) それからしばらくは、どんよりとした天気ながら平穏な日が続き、十一月に入った。 十日もすれば、蕎麦が収穫できる。 早朝から釣りに出かけ、昼過ぎに帰ってきた仙蔵は、釣った鮒を魚籠(びく)から桶に移していたところに、圭助とおきつがやってきた。…

【 死に場所 】place of death 全34節【第一部】(7)~(8)読み時間 約15分

(7) そして、翌日のお八つ時。 仙蔵は猪吉の家にはすぐに入らず、少し離れた木陰から様子を窺っていた。 みんなが集ってから話し合いが始まる。その前から待っているのも針の筵に座らせられるようで堪らない。 仙蔵は村人の集り具合を見ていた。 ちらほら…

アキと言えば、あき竹城の秋。

毎年、ニュースなどで「読書の秋」「スポーツの秋」もしくは「食欲の秋」と良く耳にする。 だがしかし、私の場合に限って連想するものと言えば、どうしてもあき竹城さんの画像が瞬時に浮かんできてしまうものだから仕方がありません。 こんな感じの画像・・…

【 死に場所 】place of death 全34節【第一部】(5)~(6)読み時間 約10分

(5) 翌朝、圭助が仙蔵の家を訪ねて来て、開口一番。 「頼むから猪吉さんや皆には言わねえでくれ・・・」 仙蔵は答える前に溜息が漏れる。 「昨日の晩もおっかあが酒を出そうかと言ったんだが、断ったで。もう呑まねえ」 仙蔵は当たり前だとも思ったが口に…

【 死に場所 】place of death 全34節【第一部】(3)~(4)読み時間 約10分

(川崎市立民家園) (3) 全国的に大飢饉が続く中、甲斐に隣国の商人が現れた。商人等は相場よりも高値で米を買い集めた為、甲斐から米が流出した。当然、米価は高騰。 甲斐都留郡(大月市周辺)では三年以上続く飢饉で多くの死者が出ており、これが更なる…

ひげのおっさんグモ 発見!

先日、暑さも落ち着き天気も良かったので、荻窪方面に散歩に出かけました。 八幡神社に立ち寄り、手を合わせて、小さなお稲荷様の社にも参拝。 心がすっと落ち着いた様な気になり、お稲荷様の像をじっと見つめていると、 小さなひげのおっさんグモ おきつね…

コメディは難しい⑤(叱り方編)

唐突だが、iPhoneでikkの文字を打つと、「一階」、「一向一揆」でもなく 「ikko」と出てくる。 私はこれまで、ikkoさんについて一度も調べた事はないのだが、さっとiPhoneは忖度して出してくれる。 なんで?と思う反面、少し怖いと思う。 iPhoneにまでikkoさ…

コメディは難しい④(ギャップ編)

以前、私は作家の筒井康隆先生が嫌いだった。 学生の時、テレビで見た筒井先生の容姿、口調が殊更偉そうに見えたからだ。 それから、十年以上が過ぎたある日。 再び、筒井先生をバラエティー番組で見ることになる。 学生の時に見たままの印象。いや、白髪に…

かえるのたまごじゃありません。

巨峰やマスカット、シャインマスカット、ピオーネに比べると、ちょっと食べる意欲がそがれてしまうデラウエア。 だが、私は画期的な食べ方を発明し、これを一粒一粒皿に出す。 この量で、5房。 どうだといわんばかりに、人に見せる。 すると、返ってきた言葉…

コメディの難しさ③ (弱点編)

最近、「宮下草薙」の漫才を好んで見ている。 草薙さんの奈落の底に落ちてゆくネガティブ思考が、飛躍しすぎて面白い。 先輩にハワイに誘われただけで、「なんで誘われたんだろう?」から始まり、挙句の果てには「香港のマフィアに売り飛ばされるんだ~ぁ」…

コメディの難しさ②(職場編)

先日、笑いは「緊張と緩和」だと、千原Jrさんがテレビで言っていた。 私は番組を見ながら「なるほど・・・」と感心して、忘れぬ様に心に刻み付けた。 そこで、緊張と言えば、「会議」であろう。 私はかつて勤めていた会社において、毎週一回の会議が苦痛で…

コメディは難しい ①

コメディは本当に難しい。 かつて、私の尊敬してやまない、志村けん師匠は、「映像で泣かせるのは簡単だ」と、コント番組で無声の短編映像を放映した。 志村師匠の意図を知らなかった私は、これをコントとしてみていたから笑いのないショートドラマに困惑し…

【 死に場所 】place of death 〜unreasonable & absurdly world 〜 全34節【第一部】(1)~(2)読み時間 約10分

※ 本作は、1867年大政奉還の30年前である、 天保8年(1837)暮れの天保の大飢饉を舞台としております。 著者の経験等から、理不尽、不条理の世界において、今後、どう生きるかを検証することを前提とした小説でございます。 文中に説教がましい表現等がござ…